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の説あり、まづ宇治大納言の物がたりに、源氏は、越前守爲時これを作りて、こまか, なる事どもを、女の式部にかゝせたり、といへること、花鳥餘情にも引給へり、され, らぬ、つたなきものなり、又山路の露とて、夢浮橋卷の末につゞけたる物あり、そは, 此物語は、紫式部がつくれりといふことは、世にあまねくしれることにて、はやくみづ, ど此説用ふべからず、かの書にも、たしかには申さず、いづれかまことならむなど見, 書給へりと見ゆ、これ又ひがこと也、そのよしは、安藤爲章といふ人の、紫家七論と, からの日記にも、そのおもむきに見えたれば、論なきを、それにつきても、くさ〴〵, いふ物に、くはしく辨へたるがごとし、これらをおきても、くさ〴〵の説どもあれど、, えたり、又河海抄に、御堂殿、奧書を加へられて、老比丘筆をくはふるところ也、と, みな後の人のつくりいへることゞものみ也、たゞ紫式部作れりといふほかは、みなう, 心有事なるを、今の世に、其卷とて、別にあるは、後の人のしわざにて、見るにもた, り、同じ人のつくれること、明らけし、又雲隱卷は、名のみ有て、詞なきは、式部が, けがたし、又末の宇治十帖は、式部が作れるにあらず、といふ説あれど、ひがことな, 此源氏の物語の作りぬし, 今ノ雲隱ノ, 紫式部ノ作, 卷ト稱スル, 路の露ハ僞, モノ及ビ山, 宇治十帖モ, 作ナリ, ナリ, 長和五年四月二十九日, 三四九
頭注
- 今ノ雲隱ノ
- 紫式部ノ作
- 卷ト稱スル
- 路の露ハ僞
- モノ及ビ山
- 宇治十帖モ
- 作ナリ
- ナリ
柱
- 長和五年四月二十九日
ノンブル
- 三四九
注記 (24)
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