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のひ、猿の聲に袖をうるほす、草むらの螢は、遠く眞木の島のかゝり火にま, ならねと、ふくろうの聲をあはれむにつけても、山中の景氣、折につけて盡, て、且は佛に奉り、且は家つとにす、もし夜しつかなれは、窓の月に古人をし, の原を分て、〓丸翁か跡をとふらひ、田上川を渡て猿丸大夫か墓をたつぬ、, る事なし、いはんやふかく思ひ、深くしれらん人のためには、是にしも限る, て、遙に故郷の空を望み、木幡山、伏見の里、鳥羽、羽束師をみる、勝地は主なけ, かひ、曉の雨は、をのつから木葉吹く嵐に似たり、山鳥のほろ〳〵と鳴を聞, とせを經たり、假の庵もやゝふるやとなりて、軒にはくちはふかく、土居に, 歸るさには、折につけつゝ櫻をかり、紅葉をもとめ、蕨を折、木のみをひろひ, かる程をしる、或は埋火をかきおこして、老のね覺の友とす、おそろしき山, ても、父か母かと疑ひ、峯のかせきのちかく馴たるにつけても、世にとをさ, へからす、大かた此ところに住初し時は、白地とおもひしかと、今すてに五, れは、こゝろを慰むるに障なし、あゆみ煩なく、志遠く至る時は、是より峯つ, ハき、すみ山を越、笠取を過て、或岩間にまうて、或石山をおかむ、もしは粟津, 苔むせり、をのつから事の便に都を聞は、此山に籠ゐて後やむことなき人, 〓丸ガ跡, ヲ訪ヒ猿, 丸大夫ノ, 墓ヲ尋ヌ, 建保元年十月十三日, 七七〇
頭注
- 〓丸ガ跡
- ヲ訪ヒ猿
- 丸大夫ノ
- 墓ヲ尋ヌ
柱
- 建保元年十月十三日
ノンブル
- 七七〇
注記 (21)
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