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の淨壺と云者、此色紙を所持せり、世の中よと上の五文字にあるに、山の中, 定家卿のおもひ給ふならば、墨次もつとも假名づかひまで吟味ありて、少, 入の歌に、山の中にも鹿ぞなくなるとかゝれたり、今京都に住居する灰屋, 此百首秀歌をえらまれ、二條家の歌の髓腦にて、後代の手本にそなへんと、, なれば、書違給ひても、書なをさるべき事也、左樣のわけならぬ故、其通りに, とはあるべき事にもなし、千載集にも、山の奧とこそあれ、源俊頼の、うかり, も書違なくかゝるべき事なるに、父俊成卿の、世の中よ道こそなけれ思ひ, には、ほの〴〵とあかしの浦、業平の歌には、月やあらぬ春やむかし、貫之の, ゞきも歌もあしく聞れば、直してかゝれたり共おもはれざれば、書違必定, ける人を初瀬の歌には、山おろしよと有、よの字を書入られたり、これにて, 也、我家に相傳して骨肉とある歌、殊に障子にはりつけて常にみらるゝ事, さしをかれたるなるべし、, べきにや、喪に引込給ふと云はたしかならず、, 或人の云、秀歌をえらまれざると云證據は、いか程もあるべし、先人丸の歌, 歌がらもうつくしく、歌拍子もよければ、尤の事也、山の中といひては、詞つ, スル疑, 詞ノ書違, 俊成ノ歌, 撰歌ニ對, 秀歌ヲノ, ザル證, ミ撰集ヤ, 嘉禎元年五月一日, 一七
頭注
- スル疑
- 詞ノ書違
- 俊成ノ歌
- 撰歌ニ對
- 秀歌ヲノ
- ザル證
- ミ撰集ヤ
柱
- 嘉禎元年五月一日
ノンブル
- 一七
注記 (24)
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