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す敵に向ひけり、頼光は少もさはかす太刀をぬきて、鬼同丸か頭を打おとしてけり、, 死したる牛にむかつて弓を引けり、人あやしと見る所に、牛の腹のほとをさして箭を, やかてもたふれす、打刀をぬきて鞍のまへつはをつきたり、さて頭はむなかいにくい, て射けり、誠に興ありてそ見えける、其中に綱いかゝ思ひけん、とかり箭をぬきて、, はなちたるに、死たる牛ゆす〳〵とはたらきて、腹の内より、大の童打刀をぬきて走, して侍りけり、頼光あんのことくに來りけり、淨衣に太刀をそはきたりける、綱・公, 出て、頼光にかゝりけり、見れは鬼同丸也けり、箭を射たてられなから、猶事ともせ, 數あり、をの〳〵牛をいるものあらはやといはれけれは、四天王の輩、我も〳〵と懸, 時・定通・季武等みな共にありけり、頼光馬をひかへて、野のけしき興あり、牛その, つきたりけるとなん、死ぬるまてたけくいかめしう侍りける由語りつたへたり、まこ, るを殺して、路次に引ふせて、うしの腹をかきやふりて、其中に入て、目はかり見出, 所をもとむるに、立かくるへき所なし、野飼の牛のあまた有ける中に、ことに大きな, となりける事にや、扨頼光はそれより歸りにけり、, 〔平家劔卷〕, ○國學院大學所藏屋代本, 上, 綱ソノ斃牛, ヲ射ル, ノ腹中ニ潛, ミテ頼光ヲ, 頼光鬼同丸, ヲ斬ル, 狙フ, 野ニテ死牛, 鬼同丸市原, 治安元年七月十九日, 一一二
割注
- ○國學院大學所藏屋代本
- 上
頭注
- 綱ソノ斃牛
- ヲ射ル
- ノ腹中ニ潛
- ミテ頼光ヲ
- 頼光鬼同丸
- ヲ斬ル
- 狙フ
- 野ニテ死牛
- 鬼同丸市原
柱
- 治安元年七月十九日
ノンブル
- 一一二
注記 (27)
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