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花のさかり、むかしの春のおもかけ思ひ出されて、忍てかの木の下にて, 男ともうたつかうまつりしに、定家、左近中將にて詠していはく、, もみとあるやうにみゆるすかた、ま〓にありかたくみゆ、道に達したる, 箱のふたに、庭のはなをとり入て、中御門攝政のもとへつかはしたりし, さまなと殊勝也き、歌みしりたる景氣ゆゝしけなり、たゝし引級のこゝ, ろになりぬれは、鹿を馬とせしか〓し、傍若無人〓はりに過たりき、他人, る歌をは、かならす自讚歌とす、定家は此歌よみたりし日、大内より硯の, によるといふ事なし、又ものにすきたるところなきによりて、我歌なれ, らす歌の善惡にはよらす、〓からもやさしくおもしろくもあるような, 年をへて行幸になるゝ花のかけふりぬる身をも哀とや思ふ, とも、自讚歌にあらさるをよしなといへは、腹立の氣色あり、先年大内の, さとおもひたりしうへは、まして餘人の歌さるにも及す、やさしくもみ, の〓葉を聞に及はす、惣して彼卿か歌存知の趣、いさゝかも事により、折, らも希代の事にて、かた〳〵尤自讚すへき歌とみえき、先達ともゝかな, 左近中將にて廿年に及ひき、述懷のこゝろもやさしく見えしうへ、〓か, タル樣殊, 傍若無人, 理ニ過グ, 勝ナリ, 道ニ達シ, 仁治二年八月二十日, 七五三
頭注
- タル樣殊
- 傍若無人
- 理ニ過グ
- 勝ナリ
- 道ニ達シ
柱
- 仁治二年八月二十日
ノンブル
- 七五三
注記 (22)
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