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右の手の不叶して、執筆のならさりしを幸に、ひそかに父か讓状をこしら, へて、後日家督相論の證據にせんとて、僞造したるものなるへし、しからす, れは件の讓状は、一定惟村か僞造したる物にして、おのれか事と、惟武か事, 忠直をすてゝ、かゝる不孝の人を擧達すへきことにもあらさるをや、しか, して、もし實に惟むらかふるまひ、惟澄か置文にいふところのことくなら, とを、うらうへに取かへて、まことしやかに物したるなり、されとも世の人, んには、いかに宮の御贔屓あらんにも、惟澄か跡をは、たやすく安堵仰付ら, かありけん、もし病耄の所爲にあらさるよりは、眞心にてしたるわさとは, おもはれさるをや、依てつらつら考ふるに、是は惟澄か沒後に、惟村か、父の, 惟村か兄弟の事は、おろ〳〵は、かねて見も聞もして、知りたることなれは, とかきて、其かならす家督に立へきことわりをいひ、またこれむら打越御, うけて、家督にたてられさりしことは、誰もしりたる事なる故、生得の嫡子, うつたへにそらことはかりは、書出しかたかる故、惟村か、日比父の勘當を, るへきことにもあらす、また武光か、いかに烏帽子子ならんからに、日比の, 督にたてゝ、所領所職のこりなく讓り與へたるは、いかなる用意のことに, 南朝正平十九年北朝貞治三年七月十日, 澄ノ沒後, 讓状ハ惟, 村ガ父惟, ニ僞作シ, 理由ナシ, タルモノ, ナルベシ, ヲ與フル, 南朝正平十九年北朝貞治三年七月十日, 九五七
頭注
- 澄ノ沒後
- 讓状ハ惟
- 村ガ父惟
- ニ僞作シ
- 理由ナシ
- タルモノ
- ナルベシ
- ヲ與フル
柱
- 南朝正平十九年北朝貞治三年七月十日
ノンブル
- 九五七
注記 (26)
- 1516,851,70,2212右の手の不叶して、執筆のならさりしを幸に、ひそかに父か讓状をこしら
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- 1282,859,67,2213して、もし實に惟むらかふるまひ、惟澄か置文にいふところのことくなら
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