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一、更級日記にも源氏は五十餘帖といへり、もし六十帖といはゝ、今流布する本、雲, 那院贈僧正に一心三觀の血脈を相續したるよし、たとひ式部天台法門の意を知とも、, 隱・浦傳・狹席等二三帖も落たる歟、さて大數を擧て六十帖といふ歟、それを天台六, からす、もし説のことくならは、にくき事なるへし、, 一、此物語發起の説々あり、爲時か作、紫式部か作、これさへ分明ならされは、皆一, ても皆法門の歌なとよめるを見れは、大意を心得たる人おほかりけるやと見ゆ、檀, 引さけ經よみなとするは女に似合ぬよしかけれは、さやうのこは〳〵しき事はすへ, 一、式部か名は、紫上の事を一部に亙りて詮とよく書たる故なるへし、日記の公任の, 橋姫の卷に、法師さへあまりひしりたちたるを嫌ひ、日記にも、こと〳〵しく數珠, 十卷に准らへたりなといふは、此物語の中に天台教門に付てかける所あるによりて、, 台宗にかたよる人のおしていふ歟、榮花物語にも佛法の深意をかける事あり、女と, ことは、更級物語に紫の物語といへる、其證なるへし、, 定して信しかたし、, ○一條, 略ス, ○一條, フハ傳會ナ, ニ准ズト云, 天台六十卷, 紫式部ノ命, ヲ相續スト, 源氏物語ハ, 云フハ非ナ, 三觀ノ血脈, 紫式部一心, 名, 長和五年四月二十九日, 三〇八
割注
- 略ス
- ○一條
頭注
- フハ傳會ナ
- ニ准ズト云
- 天台六十卷
- 紫式部ノ命
- ヲ相續スト
- 源氏物語ハ
- 云フハ非ナ
- 三觀ノ血脈
- 紫式部一心
- 名
柱
- 長和五年四月二十九日
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- 三〇八
注記 (28)
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