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居城たる小倉の町を距る一哩の處へ漕ぎ出でたり、途中如何なる談話が、, 人に別を告げ、盛裝して、勇敢に刑吏の前に出で來れり、彼の身に著けたる, は走り出で、娘も亦之に次ぎたり、妻子は彼を抱きつゝ聲を擧げて、天に向, と言聞かせ、暫しの訣別を告げしのみなりき、斯くて十字架像の前に進み, 彼と彼等未開の徒との間に交されたりしかは想像するに難からざるな, ものは、高價なる足袋と歐羅巴風の式服とにして、其上に袖短くして、腕の, より彼に贈られしものにして、最も莊嚴なる式日に限り著用せしものな, り、斯くて彼は小舟に乘り、殿の領地〔男爵領或は侯爵領〕の首都にして、殿の, 女等を叱り、彼女等は、彼にとりて斯くも榮ある晴の日を曇らすものなり, ひ、斯く見捨てられて跡に遺さるゝ己が身の上を怨じたり、ディエゴは彼, たり、彼は日本の風習に背くことを欲せず、賑やかなる饗宴を張り、其後衆, て、恭しく地に跪き、渾身の眞情を籠めて、我が身を救世主と聖母とに委ね, は、嘗て彼の師なる我がゼズス會のパードレ・グレゴリオ・チュスペディオ, 半ばなる美しきマント、日本にてキモノと稱するものを重ねたり、此式服, 女等に堅く約言せしめたり、されど恩愛の情は、遂に堰止むるに由なく、妻, リテ衆人, 盛宴ヲ張, 隼人妻及, 戒ム, ビ子女ヲ, ニ告別ス, 元和五年是歳, 三五五
頭注
- リテ衆人
- 盛宴ヲ張
- 隼人妻及
- 戒ム
- ビ子女ヲ
- ニ告別ス
柱
- 元和五年是歳
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- 三五五
注記 (23)
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