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けれは、伊賀殿も落職になるへけれと、彼は大和殿の腹心なれは、藤吉郎か事といへは支, へ申さる故に、逼りたる事にもなけれは延ひ〳〵になれるなり、關閣はあしき人にもあら, か、又五百金を以水戸殿御家人の名目を買得し、葵章の服を着し往來馬に跨り、旗下の士, をなし、一橋殿小普請組鈴木某の養子となれり、生來奸侫にして口才あり、金銀の口入、公, 家人に御抱入れとなり、格式を定められす與力の上席に在りて、町方御用聞の役名を汚, 事出入の扱ひ等をなして、次第に身上を仕上ケ、驕奢に長せし故、一橋殿は御暇となりし, 一、此頃岩肥州の左内へ申されたるは、鈴木藤吉郎たに鞠問せは、奸黨の惡事は露顯すへ, し、己レか愛〓に任セて稱譽讒謗、人の進退榮枯を明示する事士大夫ニ及ふ、依之俗流之, 州も此者の姦物なるよし申上られたる事あれは思ふ由やある承るへしとて、此夕左内を, 人に摸擬し、居屋壯麗にして、婢僕數多召使ひ淫酒無度、巧みに權門勢家に立入り、近來御, ねと、犯せる罪はいかにせんと憤られし事あれは、此藤吉郎を囚へる策やあるへき、水筑, 筑州の許へ遣されたり、筑州も別に思ひよられたる事もなけれと、御大老は藤吉郎に關係, せらるへき由を申されしとそ、此藤吉郎といへるものは、元房州の百姓より出て浪人の体, もあるましけれは、此人に説きて彼より手を下さは行はるへくもや、猶岩監察等へも申談, を尊ひ、之を恐るゝ事鬼魃に等し、賂賄を貪り、金銀を掠取し、非義無道の小人之、關閣の, ノ奸惡, 鈴木藤吉郎, 安政五年四月二十五日, 六八八
頭注
- ノ奸惡
- 鈴木藤吉郎
柱
- 安政五年四月二十五日
ノンブル
- 六八八
注記 (19)
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