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し、賭に遊し候へと云、左衞門殿は、元より双六上手ニおはしたれは、對樣な, 四度見くさして褒もせす、哀れ男と生れたる思ひ出に、ケ樣の刀さし度も, 雨打つゝきて物淋敷折、四角、左衞門殿方へ參りて、此長雨なるニ、御機嫌能, 殊の外不業ニて有しを不足し給ふと聞つるか誠なるか、左樣の事もあな, してみせられたる、何れも押頂き感し褒ける、中ニも樋口は、燒なし裏表三, 出されたる、左衞門殿なゝめならす歡給ひて歸宅あり、身近き侍共を召出, の哉とつふやき振廻し抔して鞘に納め、左衞門殿前ニ持出、此御刀私ニ被, 四寸の刀を持出申されけるは、いつの比か御指替ニてすへ物被成たる時, 御入あられ候や、餘り淋しく候程に、今日は双六を遊し候得と云、左衞門殿、, 下候へと云、左衞門殿取上られなから、たはけめと云持て立給ふ、其跡ニて, 四角ひとりことニ、殿ニ似合ぬ頼母敷なを事と云て立出々ると也、其後春, 物なり、此刀は寸は短かたれ共刄強き刀也、樣し見すして差給へ、度々手ニ, 覺たる中ニ、五枚兜を着たる頭を切候ひしニ、水をさくる樣ニ候ひしとく, 能こそ來りたり、双六打んと宣ふ、四角云は、ケ樣の雨中ニは、唯はいさみな, らは百兩賭ニ打へし、引てならは羽織賭と宣ふ、四角の云樣、對樣ならは首, 刀ヲ賭ケ, ト國俊ノ, テ双六ヲ, 幸村樋口, 樋口某國, 俊ノ刀ヲ, 望ム, 打ツ, 元和元年五月七日, 九一八
頭注
- 刀ヲ賭ケ
- ト國俊ノ
- テ双六ヲ
- 幸村樋口
- 樋口某國
- 俊ノ刀ヲ
- 望ム
- 打ツ
柱
- 元和元年五月七日
ノンブル
- 九一八
注記 (25)
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