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ひ出し、誠に老生不定といひなあら、余多持たる子皮共、離れは悲しかるべ, 差懸り、伊勢道を經て、無程上方へ着けれき、京大坂伊勢熊野をも一見し、其, 引籠、後の世を念し居けり、一そく驚、此事隱密不可叶、屋形へ披露仕んと、森, 比の欝氣をはらさんとて、ひそかに住家を立出て、小保内山を打越、仙北へ, て、最物淋しく暮したれは、欝胸不快、今閉門こそ幸なり、上方一見に登り、日, きに、數ならぬ獨子の父に先立愁しさ、子共の末を思ひきこそ、是と申も君, はなかりけり、父十左衞門始、何れも哀傷之〓袖をしほりぬ、誠に樂み盡て, 悲生とは、今此事かと思われたり、或時十左衞門夜もすから子息の事を思, に命して門戸を閉さしむ、十左衞門愁傷之〓かわかぬに、亦うき事の重り, 故の、今は浮世に何かせん、出家せばやと思ひたり、自ら髮を卸し、小座敷に, 上を輕したる行跡なり、沙汰に及ん内は閉門申付よと宣ひは、いそき奉行, のなのらん、去なのら十左衞門一應訴もせず、主も無き樣に我儘のてい髮, 岡へ告たれは、利直公大に怒りたまひ、子を失ひ親に別ル、何れも誰か悲歎, 後紀州高野山に趣て、爰こそ能き住家とて住所を定、抑十左衞門何迚我儘, の行跡すると、其根元を察するに、數度の戰功勵とも功もなし、其後ケ樣の, 門ヲ命ズ, 利直十左, 衞門ニ閉, 十左衞門, 利直ヲ恨, 元和元年是秋, 六一四
頭注
- 門ヲ命ズ
- 利直十左
- 衞門ニ閉
- 十左衞門
- 利直ヲ恨
柱
- 元和元年是秋
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- 六一四
注記 (22)
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