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ず、與左衞門は生得腹あしき男にて、器用なる弟子共は度々しかりにあひ, けれ共、藝には不器用なる伊太夫をば、隨分不便がりし由、去により與左衞, 門が太皷所望の方〳〵は、伊太夫に言込たのむに付、外の弟子共憤り、伊太, 望の時は、皷桶に腰をかけ、太皷をもたせて打たり、弟子多き中に、伊太夫と, 夫が事を、太皷持〳〵といひしとなり、此時分よりして人に隨ひ、其人の氣, いひし弟子、太皷を持事巧者にて、此伊太夫ならては與左衞門が氣にいら, の者、琵琶の上手にてありし、このよねより、よき遊女を見てはよねと呼て、, に入るやうにとりはやす者を、いつとなく太皷持といひならはしたり、觀, 惣て遊女の別名になりたり、また坂田あたりにて、遊女の事を柄杓とも云, 遊女をよねといふは、寛永の頃、羽州坂田によねといひし遊女、生所は加州, 曰、若爲賭宿、下官答曰、十娘輸壽、則共下官臥一宿、下官輸籌、則共十娘臥一宿、, 流をくむといふ意か、右にいふ遊仙窟の宿の字は事を好てむづかし、, 公の時代、京都に似家與左衞門といひしは、太皷の上手なりし故、大人御所, 吉原にて客人に隨ひ、一座を取持、伽になる者を太皷もちといふ、織田信長, 里好色由來揃ニ, 國遊, 異説アリ、略ス, ○諸, 遊女ヲ柄, 杓ト云フ, コト, 太皷持, 元和三年三月是月, 八五六
割注
- 里好色由來揃ニ
- 國遊
- 異説アリ、略ス
- ○諸
頭注
- 遊女ヲ柄
- 杓ト云フ
- コト
- 太皷持
柱
- 元和三年三月是月
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- 八五六
注記 (24)
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