『大日本史料』 10編 19 天正元年12月~同年雑載 p.145

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斯くて彼は洗禮を受けず又マテウスが彼に語りたる事の外にはデウスの教を知らざる, 禮を授くるやうなさしめたり、又彼は聽かんと欲する者全員に教を説ける由なり、, 山口より四レグア離れたる或る土地に七十餘歳の男一人あり、其妻は數年前にキリシ, て己れに仕ふれば心中は自分の好む所に任すべしと答へし故に彼等は彼を自由にせり、, とを命ずべしと考へ居りし處、領主は彼がキリシタンとなることは差支なし、身體を以, に歸りて其より二十日の内に彼が改宗せしめたる者一人を余の許に遣し、余が之に洗, まゝ今日迄生きたり、彼は余の山口に在りし由を聞き知りて説教を聽き洗禮を授かる, 正氣に還りたりと言へり、其爲め其土地の人々は彼に對し怒を發して彼を捕へ、其地, たり、此者は領主の前にて其事を認め、唯一のデウスを崇拜して他の何物をも崇拜す, 像を崇拜して天地の創造主なるデウスを棄てゝ生活せし誤りを知りたる故に今は眞實, べく同地に來れり、而して教育を與へられたる後余は彼に洗禮を授けたり、彼は郷里, の領主の許に連行して、彼がキリシタンとなりて偶像を〓辱し誹謗したる旨彼を訴へ, べからざる故に同樣の事を斷言せり、因て總ての人々は領主が彼を直ちに殺害するこ, 同樣に考へたり、彼は彼等に答へて、我は寧ろ今日まで精神錯亂し居りしが、是迄偶, 訴スルモ領, たん某ヲ上, 郷黨きりし, 婦人信徒其, 山口近郷ノ, 主之ヲ赦ス, 天正元年是歳, 一四五

頭注

  • 訴スルモ領
  • たん某ヲ上
  • 郷黨きりし
  • 婦人信徒其
  • 山口近郷ノ
  • 主之ヲ赦ス

  • 天正元年是歳

ノンブル

  • 一四五

注記 (22)

  • 882,681,58,2184斯くて彼は洗禮を受けず又マテウスが彼に語りたる事の外にはデウスの教を知らざる
  • 376,681,59,2094禮を授くるやうなさしめたり、又彼は聽かんと欲する者全員に教を説ける由なり、
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